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同時消しと多連結の得点に関する計算
(2010年12月9日作成)
このページでは、同時消しと多連結の得点について計算しています。同時消しや多連結の得点と聞いてイメージがわかない方は、まずこちらの「同時消し/多連結と単純連鎖の得点差」で図表を見た方がいいかもしれません。そこに載せた具体的数値の根拠を、連鎖数や同時消し数を変数に取った式を眺めることによって得ようというのがこのページの趣旨です。
同時消しと多連結が単純連鎖よりもどれだけ得点が低いかは連鎖数によらない
S(n, m)を(n-m+1)連鎖m組同時消しの得点とします。 例えば、S(5, 1)は単純5連鎖(全て4個消しで同時消しの無い5連鎖)を表し、S(9, 3)はぷよ数にして単純9連鎖相当のトリプル、つまり(全て4個消しの)7連鎖トリプルを表します。
まずは単純n連鎖の得点を求めておきましょう。
連鎖得点の計算式は、(連鎖倍率+色ボーナス+連結ボーナス)*消したぷよの数*10、でした。
これを用いて、
S(n, 1) = {24+sum[i=0,...,n-3](32i)}*40
= {24+32*(1/2)*(n-3)(1+n-3)}*40
= {24+16(n-2)(n-3)}*40 (for n≧3)
と計算されます。
ただし、24は3連鎖までの連鎖倍率の和(0+8+16)です。
また、sum[i=0,...,n-3](32i)は最初の3連鎖を除いたn連鎖までの連鎖倍率の和です。
次に、S(n, m)を計算してS(n, 1)との差で表現してみましょう。最後の同時消しの部分を省いた得点と、最後の同時消しの得点に分けて足し合わせます。
S(n, m) = {24+16(n-2-m)(n-3-m)}*40 + {b[r]+32(n-2-m)}*40m
= S(n, 1) + {mb[r]+32m(n-m-2)+16m^2-32nm+80m}*40
= S(n, 1) + (mb[r]-16m^2+16m)*40
= S(n, 1) - 40m{16(m-1)-b[r]} (for n≧m+3)
n≧m+3はn-m+1≧4であり、4連鎖以上の同時消しについて成り立ちます。(3連鎖以下の同時消しは個別に計算する必要があります。)
また、b[r]は色数rの色ボーナスを表し、
b[r] = {0, 3, 6, 12}(それぞれ1色、2色、3色、4色)
となります。
最後の式の右辺の右側の項は、S(n, m)の単純n連鎖に対する得点の低下を表しています。これをDc(m, r)と書くことにすると、
Dc(m, r) = 40m{16(m-1)-b(r)} (for n≧m+3)
であり、式中にnが含まれないためこの値は連鎖数nに依存しません。(ただし、nがm+3よりも小さい時、つまり1連鎖マルチ〜3連鎖マルチの場合は連鎖数に依存します。)
これは連鎖数が大きくなるほど同時消しによる得点の低下が相対的に小さくなるということを意味しています。
具体的に数値を代入すると以下のようになります。()内はおじゃまぷよの降る段数。(70点でおじゃまぷよ1個、おじゃまぷよ6個で1段)
2組2色同時消し: Dc(2, 2) = 1040 (2.5段)
3組3色同時消し: Dc(3, 3) = 3120 (7.4段)
4組4色同時消し: Dc(4, 4) = 5760 (13.7段)
5組4色同時消し: Dc(5, 4) = 10400 (24.8段)
6組4色同時消し: Dc(6, 4) = 16320 (38.9段)
多連結は(3色以下の)同時消しよりも強い
次に、多連結による得点低下についても計算してみましょう。
m組同時消しを4m連結の多連結とした場合の得点は、単純にb[r]を連結ボーナスに置き換えたものとなります。連結ボーナスは、
b[4m] = {0, 5, 10}(それぞれ4連結、8連結、12連結)
なので、3色以下の場合、同じぷよ数では連結ボーナスのほうが色ボーナスよりも大きくなります。
そのため、多連結は同時消しより得点低下が小さく抑えられます。
(連結ボーナスは10で打ち止めなので4色については逆転しますが、4色同時消しに相当するのは16連結となり現実的ではありません。)
(n-m+1)連鎖4m連結の単純n連鎖に対する得点低下Da(4m)を具体的に計算すると、
8連結: Da(8) = 880 (2.1段)
12連結: Da(12) = 2640 (6.3段)
となります。
なお、具体的な数値では同時消しは最大色数で計算しましたが、例えば2色4組同時消しのように少ない色数の場合についても得点低下は(4連鎖以上であれば)連鎖数に依存しません。 また、少ない色数の同時消しの、最大色数の同時消しに対する得点低下は4連鎖未満であっても連鎖数に依存しません。 より具体的な数値は冒頭でも挙げた「同時消し/多連結と単純連鎖の得点差」で詳しく計算して表にまとめたので、そちらをご覧になってください。また、そこでは多連結同時消しについても扱っています。