速攻の成功確率
速攻が刺さる確率を計算したので表にまとめてみました。どのようにしてこれらの数値を計算したかは「ぷよぷよの発火確率の計算方法」を参照して下さい。また、実際にどの程度の確率で速攻を仕掛けるべきかなどの戦略の話は「速攻の理論」を参照して下さい。
速攻の成功率は、こちらがどれだけの大きさの速攻を用意できているのか、それから相手がどのような連鎖を用意しているか、そして速攻を終えた後の状態(勝敗が確定したり、どちらかが有利になったりなど)からの勝率がどれほどかなど複数の要素が絡んできますが、ここでは相手の連鎖形のみに着目し、ある想定した連鎖が打たれなければ速攻が成功したと考えて、その想定した連鎖がn手で発火できない確率を考えます。
速攻は基本的には2連鎖マルチを考えます。その場合、こちらが速攻を発火してから相手は最大で4手引くことができます。4手になるか3手以下になるかは、発火のタイミングや相手の迷い、ちぎりの有無などによって左右されます。ただし全体としては4手引かれることがかなり多いと思います。また、場合によっては3連鎖以上の速攻を仕掛けたい場面もあるかと思うので、5手〜7手の場合も表に載せています。ただ、手数が多くなるほど想定した連鎖以外に同程度の威力を持つ逆発火や緊急発火の可能性が無視できなくなるので、実際の試合では注意して下さい。また、その理由で8手以降の場合はほとんど無意味だと思うので載せていません。
表中の記号の説明
相手の連鎖の状態を分類するために記号を定めています。ごく簡単にだけ説明しますので、後は表の図と併せて把握してくださいませ。a,b,c,dが色を表し、その横にある数字が必要な個数を表します。発火色の横には「*」を付けます。必要なぷよの置き場所が隣接しているとき(ハチイチやゾロで2個同時に置けるとき)は「-」で繋いで、離れているときは「+」で繋ぎます。aaとabはそれぞれゾロとハチイチを示します。a1/b1と書いたときはbを先に置いてその上にaを置くことを表します。
n手以内に想定した連鎖が発火できない確率(4色)
図は記号の意味を示しているに過ぎず、実際にこのツモの場合に速攻が狙えるかどうかは考慮していません。また、あくまで1例であって他にもいろんなパターンが考えられます。
2012/06/12追記:相手がネクネクまで見て最善手を判断する必要のある形も計算しました。また、p(a1*-b1:n)の計算で誤りがあったので修正しました。(値が若干変わっています。コードに式の写し間違えがあったためです。今回、答えの確認も兼ねて再帰を用いて実装し直し、値が変わらないことを確認したので他の部分についても誤りの可能性はだいぶ減ったと思います。)
2012/06/18追記:p(a2*+b2:n)の計算で誤りがあったので修正しました。(影響はp(a2*+b2:n)のみで、他の確率の値に変更はありません。今回、ネクネクまで見て判断するタイプの確率を再帰と最善手探索を用いた、よりコンピュータに頼ったやり方で実装する中で誤りを発見しました。誤りの内容は、手作業に寄る場合分けの細かいミスです。)
相手の連鎖の状態 | 手数 | 発火できない確率 | コメント(2連鎖速攻を狙う視点で) |
---|---|---|---|
(a1*) | 2手 | 31.6% | 連鎖が完成している状態。ほぼ確実に発火されるため、ネクネクまで確認しないで速攻を打つのはあまりに危険です。ただし、現在手、ネクスト、ネクネクの3ツモに一つも発火色が含まれていない場合は、4手引かれた場合に56.3%の確率で刺さります。3手しか引かれない場合は100%。 |
![]() | 3手 | 17.8% | |
4手 | 10.0% | ||
5手 | 5.6% | ||
6手 | 3.2% | ||
7手 | 1.8% | ||
(a2*) | 2手 | 73.8% | 発火色が2個必要な状態。他の部分は完成しているので、3手しか引かれない場合でも危険。これも基本的にはネクネクまで確認してから打つ必要があります。ただし、ネクネクまでの3つのツモに発火色が無ければ93.8%刺さり、1つあれば56.3%刺さります。3手しか引かれない場合はいずれも100%。 |
![]() | 3手 | 53.4% | |
4手 | 36.7% | ||
5手 | 24.4% | ||
6手 | 15.8% | ||
7手 | 10.1% | ||
(a3*) | 2手 | 94.9% | 発火色が3個必要な状態。見た目にも明らかに隙がある状態で、実際速攻はかなりの確率で刺さります。ただし、相手がネクネクまで見た上で緑赤のハチイチを図のように設置した場合は赤ゾロがすぐ来ることになるので、緑赤のハチイチを置いた直後の場合は一応ネクストまで確認した方が良いでしょう。 |
![]() | 3手 | 83.1% | |
4手 | 67.9% | ||
5手 | 52.6% | ||
6手 | 39.1% | ||
7手 | 28.1% | ||
(aa*) | 2手 | 87.9% | 速攻を狙っていると相手がカウンター気味に構えることがあります。岩1個ちょうど送った場合は相手の思うツボですが、岩1個+2段程度以上送った場合、相手は最初におじゃま5段降った時点で発火しないと完全に埋まることになります。図の場合は発火色の黄色が2個しかないためゾロ待ちするしかなくなり、こちらが大きめの2トリか2クア速攻を打てば8割方勝てることになります。 |
![]() | 3手 | 82.4% | |
4手 | 77.2% | ||
5手 | 72.4% | ||
6手 | 67.9% | ||
7手 | 63.7% | ||
(ab*) | 2手 | 76.6% | 少ない手数ではハチイチ発火するしかない状態。ハチイチという響きと違って複数手引ける場合はそこそこの割合で発火できます。もちろんこの状態ですぐに打ってしまっても十分な勝算がありますが、このような形の場合は将来的に発火点を完全に埋める可能性が高いので、それまで待つのもありです。 |
![]() | 3手 | 67.0% | |
4手 | 58.6% | ||
5手 | 51.3% | ||
6手 | 44.9% | ||
7手 | 39.3% | ||
(a1+a1*) | 2手 | 80.9% | 離れた位置にある同色が2個必要な状態。ゾロ発火でゾロを生かせない分(a2*)よりかは刺さりやすいですが、相手の現在手やネクスト・ネクネクを確認しないと基本的には危険。 |
![]() | 3手 | 59.3% | |
4手 | 41.2% | ||
5手 | 27.5% | ||
6手 | 17.9% | ||
7手 | 11.5% | ||
(a1+b1*) | 2手 | 80.9% | 足りない色と離れた位置にある発火色は同色でも違う色でも関係ないため、(a1+a1*)と全く同じ確率になります。どちらも、特定の色が1個以上来てから、特定の色1個以上必要な状態という意味で同じなのです。 |
![]() | 3手 | 59.3% | |
4手 | 41.2% | ||
5手 | 27.5% | ||
6手 | 17.9% | ||
7手 | 11.5% | ||
(a1-b1*) | 2手 | 66.8% | ハチイチ発火が可能なため、(a2*)や(a1+a1*)よりも刺さりにくいです。これも相手の現在手やネクスト・ネクネクを確認した上で速攻を狙う必要があります。 |
![]() | 3手 | 47.5% | |
4手 | 32.3% | ||
5手 | 21.3% | ||
6手 | 13.7% | ||
7手 | 8.7% | ||
(a1+a2*) | 2手 | 97.3% | 見た目のインパクトは(a3*)の方が大きいかもしれませんが、ゾロを生かしにくい分、こちらの方が発火されにくいです。図のように発火色が2個必要な状態で、さらに離れた場所で未完成の部分があるパターンは勝算も高く狙い目です。(なお、ここでは最初にゾロでないaが来たときにはa1に置くと仮定しています。a2に置いた場合はゾロを生かせないので、未完成の連鎖を発火できる確率は上がっても、連鎖を完成させた状態で発火する確率は下がってしまうからです。) |
![]() | 3手 | 87.0% | |
4手 | 72.3% | ||
5手 | 56.7% | ||
6手 | 42.6% | ||
7手 | 30.9% | ||
(a1+b2*) | 2手 | 97.3% | 相手は、abハチイチが来たときにa1に置くかb1に置くかをネクネクまで見て判断することができます。ハチイチを多少生かせる分、(a1+a2*)よりかは刺さりにくく、ハチイチを完全には生かせない分、(a1-b2*)よりかは刺さりやすいです。 |
![]() | 3手 | 80.4% | |
4手 | 60.0% | ||
5手 | 42.1% | ||
6手 | 28.4% | ||
7手 | 18.6% | ||
(a1-b2*) | 2手 | 88.7% | ハチイチを生かせる分、(a1+b2*)よりも発火されやすいです。また、(a3*)で書いた注意書きのように、相手がネクネクまで見てこの状態に持ち込んだ可能性がある場合はネクストまで確認した方がいいかもしれません。 |
![]() | 3手 | 70.1% | |
4手 | 51.3% | ||
5手 | 35.6% | ||
6手 | 23.9% | ||
7手 | 15.6% | ||
(a2+a1*) | 2手 | 97.3% | 理由は分からないですが、(a1+a2*)と同じ確率です。おそらくゾロを生かせない可能性が同じなのだと思います。 |
![]() | 3手 | 87.0% | |
4手 | 72.3% | ||
5手 | 56.7% | ||
6手 | 42.6% | ||
7手 | 30.9% | ||
(a2+b1*) | 2手 | 97.3% | (a1+b1*)で書いたのと同じ理由で(a2+a1*)と全く同じ確率です。 |
![]() | 3手 | 87.0% | |
4手 | 72.3% | ||
5手 | 56.7% | ||
6手 | 42.6% | ||
7手 | 30.9% | ||
(a2-b1*) | 2手 | 92.6% | 緑→赤の順序制約があるため、(a1-b2*)よりも刺さりやすいです。 |
![]() | 3手 | 79.1% | |
4手 | 63.4% | ||
5手 | 48.4% | ||
6手 | 35.5% | ||
7手 | 25.3% | ||
(ab-b1) | 2手 | 90.6% | ハチイチでないと発火点をすぐに確保できない形。はさみ込みを覚えたばかりの人が組みがちな隙の大きな形としてよく知られていると思います。青を置いてからハチイチ発火も狙えるため、(ab-b1* or b1-ab*) = (ab-b1)と表記しています。 |
![]() | 3手 | 78.9% | |
4手 | 67.5% | ||
5手 | 57.5% | ||
6手 | 49.1% | ||
7手 | 42.0% | ||
(b1/a1-a1*) | 2手 | 90.6% | 速攻を狙っていると相手が発火点を埋めるのを見送ってこのような形にすることがありますが、4連鎖には勝てる速攻を用意していれば、6〜7.5割程度の勝ちが見込めます。 |
![]() | 3手 | 75.8% | |
4手 | 59.7% | ||
5手 | 44.9% | ||
6手 | 32.6% | ||
7手 | 23.0% | ||
(a1+b1+c1*) | 2手 | 100.0% | abハチイチが来たときに、a1に置くかb1に置くかをネクネクまで見て判断することができます。しかしabハチイチをそのまま使える下の(a1-b1+c1*)よりかは刺さる確率がわずかながら高いです。 |
![]() | 3手 | 83.9% | |
4手 | 63.1% | ||
5手 | 44.5% | ||
6手 | 30.2% | ||
7手 | 19.8% | ||
(a1-b1+c1*) | 2手 | 94.5% | abハチイチを生かせるため、3個ぷよが必要な割にはそこそこの率で発火されてしまいますが、(a1-b2*)よりかは刺さりやすいです。 |
![]() | 3手 | 78.1% | |
4手 | 58.8% | ||
5手 | 41.7% | ||
6手 | 28.3% | ||
7手 | 18.7% | ||
(a1-b3*) | 2手 | 98.4% | GTRにこだわる人が組みがちな隙の大きな形。速攻を狙う側としては非常に狙い目です。 |
![]() | 3手 | 89.8% | |
4手 | 75.6% | ||
5手 | 59.5% | ||
6手 | 44.6% | ||
7手 | 32.2% | ||
(a1-b2+c1*) | 2手 | 100.0% | 発火点は確保されているものの、完成した連鎖(5連鎖)を打たれる確率は極めて低い状態。ツモ差や積み効率の差が大きい場合(回収量がこちらの方が高い場合)に力押しする速攻を狙えます。 |
![]() | 3手 | 94.2% | |
4手 | 81.4% | ||
5手 | 65.4% | ||
6手 | 49.7% | ||
7手 | 36.2% | ||
(a2+a2*) | 2手 | 99.6% | 最初に来るaをどちらに置くかネクネクまで見て判断できます。非常に隙が大きいもののよく見掛ける形です。4個ある赤を分離してしまっているのがその要因。速攻を狙う側としては非常に狙い目です。 |
![]() | 3手 | 96.2% | |
4手 | 88.6% | ||
5手 | 77.9% | ||
6手 | 65.5% | ||
7手 | 53.0% | ||
(a2+b2*) | 2手 | 99.6% | ハチイチをネクネクまで見てどちらに置くか判断できるため、(a2+a2*)よりかは刺さる確率が若干低いです。 |
![]() | 3手 | 96.1% | |
4手 | 83.9% | ||
5手 | 67.6% | ||
6手 | 51.3% | ||
7手 | 37.3% | ||
(a2-b2*) | 2手 | 98.0% | ハチイチが生かせるものの、非常に隙の大きな形。特に図の場合はちぎりが多発しやすい形なのでますます刺さりやすいでしょう。 |
![]() | 3手 | 88.6% | |
4手 | 73.6% | ||
5手 | 57.4% | ||
6手 | 42.6% | ||
7手 | 30.4% |
表の内容の簡単なまとめ
表のだいたいの内容を説明すると、必要なぷよが(発火色含め)2個以下の場合はネクネクまでの確認無しには基本的には打つのはまずく、3個の場合は狙い目、4個以上の場合はほぼ確実に刺さります。ただ、ハチイチやゾロを生かせるか、置き順の選択ができるかなどによって必要ぷよ数の同じ形でも多少確率が変動します。
相手の現在手からネクネクまでを確認した場合
速攻は相手の現在手、ネクスト、ネクネクの3つを確認してから打つと飛躍的に確実性が増しますが、実際にはそこまで凝視することは極めて困難であると思います。そのため、基本的には相手の既に組まれた連鎖のみに注目し、これから来るツモは見ないで打った場合を考えています。ただ、表のコメントに書いたように一部確認をした方がいい場合もあります。手を止めれば相手のネクネクまで見ることは比較的容易なので、必要であれば見る努力をすると速攻を打つ機会が増えるでしょう。なお、ネクネクまで確認した場合は相手は最大でネクネク+1手までしか引けないので、以下の基本的な確率で簡単に成功率がわかります。(3手しか引かれない場合はネクネクまでで発火できない場合100%刺さります。)
特定の色が2個必要が必要:1/16 →発火されない確率:93.8%
特定の2色が必要:1/8 →発火されない確率:87.5%
特定の色が1個必要:7/16 →発火されない確率:56.3%
特定の色が1個必要(デビルハチイチがある形の場合):5/16 →発火されない確率:68.8%
全て5割を超える確率なので、相手が多色発火でもなければ、ネクネクまで見て発火できないとわかった場合は打ってしまって問題ないということになります。ただし、発火色が1個だけ必要な場合は刺さる確率は4手の場合56.3%に過ぎないので、4手引かれる可能性が高い場合はそれなりのリスクはあります。
なお、現在手を確認した場合は、現在手に含まれる必要ぷよ数を差し引いて、表中の2手3手の場合の確率を考えればよいことになります。